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静寂の時 il tenpo del silenzio

静寂の時

昨今は“癒し”と言う言葉がずいぶん使われている。ほんの一瞬の間、仮面をかぶっていた時「時代」という怪物が、今また大きく動き出し始めた。その中にあって人は大いに悩み、傷つき、行き場のない苦しみの淵に立つ。“こんなはずではなかったのに・・・”と。そんな辛さをなんとか癒そうと、草花や動物、また大自然の風景の中に身を委ねていく人もいる。しかし、そういった時すらももてない者も多くいる。ならば今一度、自らが立っている現状というものに、対し、若干視点を変化させてみると、案外束の間静寂感を得ることができるのではないだろうか。そんな束の間の“seijaku”の中に心を委ねても結構落ち着くものである。もっともそれも各々の内に有する感受性や視覚、時間覚を発見してみると、静寂に「時」は静止して見えてくる。そんな時間と空間を、レンズという二次元への交差点を透し私なりに見てみたかった。