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時の音

 

       
                 
       

 


都市には、侵入を拒絶する深い孤独がある。
だが、静かに寄り添ってみると雑踏の騒音は止み、心地よい沈黙があたりを包む。
住人の残した息づかいが微かに漂い、 身震いするような孤独は、徐々にぬくもりへと変わっていく。
行き場のないせつなさも苦しみもひとつひとつ飲み込んで、人は歩いて行ったのだろう。
そして時は、静かに明日へとつながってゆく。

©2010 Yoji Kobayashi All rights reserved